とんでもない本に出会ってしまった
最近した仕事で、クリームシチューの起源について調べる機会がありました。
そのなかで、クリームシチューは外国の料理ではなく、日本独自の料理だということがわかり、結構な衝撃を受けました。
普段栄養学ばかりを勉強していたので、料理の歴史や日本の食文化について触れる機会がなかったのです。
自分の知らないことも世の中にはたくさんあるんだなぁと思いながらも、学ぶことは楽しいと感じます。
しかし、知らなければ幸せなのに、嫌なことを目にすることもあると、今回わかったのです。
クリームシチューについて調べていくと、その発祥が戦後の学校給食だったということがわかりました。
みなさんは、戦後の学校給食=パン給食だったということをご存知でしょうか?
私は小学生の頃の給食にはご飯が出ていたので、変な感じがしてしまいました。
むしろ当時はパンの方が嬉しかったので、ちょっと羨ましい気持ちもあります。
しかし、このパン給食には、大きな声ではいえない、アメリカと日本の複雑な思惑が隠されていたようです。
当時のアメリカは、どういうわけか小麦を多量に余していたらしいです。保管するにも場所代というもので莫大なお金がかかる。
それなら、「よし、戦後で食糧難の日本に送ってしまおう!」
「ついでにこれからも小麦を買い続けてもらえるように、子供の頃から味を覚えさせよう!」
簡単にいうとこういうことです。
戦後は格安で小麦を提供してくれていたそうで、日本政府としてもこれに乗っかるしかないですよね。
「日本人の体が外国人に比べて貧弱なのは食事のせいだ!」
ということで栄養士による、いわゆる「洋食」の普及活動も行われていました。
「油いため運動」という気持ちの悪い取り組みまで行っていたそうです。
こうして短期間で日本の食文化は大きく変わっていきました。
その結果、今は生活習慣病が増え、病気の種類も変わってきていますよね。
国は医療費の上昇で苦しんでいます。
今さら和食が見直されています。
栄養士に洋食が良いと言われてきた世代の方々はどう感じているのでしょうか。
国は大きなミスを犯したかもしれません。
ただ、戦後の食糧難というのは想像もできませんし、お金のことを考えるとそうするしかなかったのかもしれなく、安易に非難はできませんが。
食の欧米化は自然なものではなく、政治的な事情が絡んだ、「仕組まれた変化」だったといえます。それが嫌なんです。
そうやって栄養界最大のタブーといわれる事実を知ってしまってから、ここ数日ソワソワしていました。
旦那さんに熱弁すると、自分の頭がおかしくなったような、変な空気が流れました。
何も知らないとはいえ、栄養士自身が洋食を広めていたこと。
自分の舌も、洋食がおいしいと感じるものになってしまっていること。
学校給食が政治的に利用されてしまったこと。
いろいろ悲しいです。
牛乳が体にいいというのは本当なのかとか。
ハッピーセットっていう名前が怖いなとか。
健康な子供を育てるはずの給食が、すり込みに利用されているのか、とか。
良からぬことがグルグル頭のなかで回っています。
昔の食生活が今も続いていたらどうなっていたのでしょうか?
かかる病気も違うだろうし、医療費も抑えられているかもしれません。
たしかに料理の種類が増えて、おいしいものを食べられる機会が増えたのは良いことなのかもしれません。
ですが、この先自分の体に入るものは自分で選ばないと大変なことになるんじゃないかと心配です。
なにが本当でなにが嘘なのか、わからなくなってしまいました…。
人に健康の重要性を伝える立場なのに、自分の知識が間違っていたら意味ないですよね。
とりあえず今できることは、和食を食べる頻度を増やすこと。日本人の体にはやはり日本食が合うはずです。
パンも好きだし洋食も好きだけど、思惑通りに自分の味覚も形成されたのかと思うとちょっと悔しい。
まぁ今更何を言っても仕方ない部分もあるのかも。和食も見直されてきてるし、よい方向に進むことを願うしかないですね。
極端な考えはしないをモットーに。
(頭がおかしくなってしまうので…)
私が読んだ本はコチラ。
ぜひ読んでみてほしい。
「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活 感想 鈴木 猛夫 - 読書メーター
この本は特に若い栄養士、管理栄養士さん必読。
衝撃の連続です。